2008年11月26日

●高瀬沈下橋まで。

口屋内の沈下橋からT搭乗員に見送られ、
しばらくは直線の四万十川を漕ぎ下る。
どうしても明日の昼頃までには中村の街に上陸したいので、
少しでも下流まで進んでおきたいのだ。

川岸にはほとんど人工物が見あたらず
清らかな風景が続く。
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一日中川を漕いでいても、人影は全く見ない。
今は休漁期なのだろうか?川漁師の姿も見えない。
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でも、野鳥の姿は賑やかだ。
大きなサギが瀬の流れに両足を浸けて、じっと川面を見つめている。
「そんなことしていて寒くないんかい?」

途中、幾度か色鮮やかなオシドリのつがいを見かける。
愛くるしい!写真に撮りたい!と思って近づくのだが
すぐに逃げられてしまう。(まあ、当たり前ですが・・・)
やはり、コンパクトカメラで野鳥を撮るのは無理ですね。

猛禽類が二羽、じゃれあうようにしていたので
撮ってみたのがこの写真です。
皆さん、分かりますでしょうか?
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この鳥はノリス? タカ? トンビ?
鳥に詳しくないtaigaは全く分かりません。

河原でカラスが行水をしているのを目撃!
「カラスの行水」という言葉はありますが、
本当にカラスが行水をしていたのを見たのは
初めて!・・じゃないかも知れないけど???
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だんだん日も傾いてきた。
勝間の沈下橋が見えてきた。
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よし、もう少し先まで、次の沈下橋まで行こう!
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高瀬の沈下橋をくぐると、右岸に石の平らな中州があったので
今夜はここでテント泊をすることに決定。

まず、ウエットブーツを脱いで濡れた足を拭く。
焚き火で暖を取りたいので流木を捜すが、
ここにも燃やせる木の枝はほとんど無い。
昨夜の雨で木が濡れていると思い、カヌー館で炭を買ってきたのが幸いした。

冷たい北風も日が暮れる頃にはぴたっと止んだ。
いくら寒いといっても、炭火にあたり
昨日行った「道の駅とうわ」で買った「どぶろく」を飲めば
もう、ハッピーである。
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「どぶろく」は本来、製造、販売が酒税法で禁止されているが
このあたりは構造改革特区で農家でのどぶろくの製造販売が認められている。
銘柄は数種類あり、一番製造日の新しい「こぼれ雪」を買ってきた。
製造者は「農家喫茶 くろうさぎ」とある。
農家喫茶って・・・何?????

封を開けると、発酵したての生々しい甘酸っぱい香りと
炭酸ガスのピリッとした口当たりが、もーっ!旨いのう。

つまみは、ちょっと珍しいウナギの佃煮。
これを炭火で炙って・・・いけるねぇー!

しかし、こんな幸せも1時間ぐらいしかもたなかった。
午後8時を過ぎると気温はぐーんと下がってきた。
「さっ・・寒む〜い!」とテントに逃げ込むが
持ってきたのは
「メッシュで透け透けの通気性抜群!」という夏用テント!
大失敗です。
でも俺、冬用のテントなんて持っていないっけ??
シュラフに潜り込むと、寒さと疲れとどぶろくの酔いで
すぐに眠りに落ちた。

・・・夜中に寒くて目が覚めた。
と言うよりか、早く眠りすぎただけかも知れない。
夏用のシュラフを二枚重ねにシュラフカバーを掛けているので
そんなに寒くはないのだが、やはり足の先が冷える。

そこで、テントの中でガスバーナーを点けてお湯を沸かし
(通気性の良いテントなので、こんな事ができるんです。)
お湯をペットボトルに入れて、きっちりふたを閉めてシュラフに放り込む。
これで簡易湯たんぽになって、暖か〜い。
まだ眠れないので、シュラフにくるまってラジオの深夜放送を聴いたり
飲み残しのどぶろくをちびちび飲っていると、また眠くなった・・・。

2008年11月25日

●激寒!四万十川下り、その2

(前回から続く)
あまりの寒さに反応が無くなってきたT搭乗員。
まるで、冬山の遭難で「眠っちゃダメだ!眠ったら死ねぞ!」
と頬をたたくシチュエーションみたいですが・・・
まさか、意識を失うほど寒くはないだろ??

まあ、とにかく限界みたいなので
少しは暖かそうな陽の当たる河原に上陸して
昼食と暖を取ることに。

河原に上陸して、すぐにも焚き火したい!火にあたりたい!のだが
燃やせるような流木が見あたらない。
最近、流木が少ないという話は聞いていたのだか、これほど少ないとは。
寒い河原を歩き回って、ようやく燃やせそうな木片や小枝を集め、
なるべく風の当たらないススキの根元にへばりついて暖を取る。

昼食も早く食べたいので「早ゆで3分ペンネ」をゆでてチーズソースをかける。
江川崎の良心市場で買った新鮮なブロッコリーもゆでて
「旨い!でも、さっ寒〜いぃぃぃうう・・・」
食後はコーヒーも飲まず(飲んでると寒いから)即、出艇!
何ともせわしないカヌーツーリングです。

協議の結果、T搭乗員はもう限界とのことなので
近くの口屋内の集落で離脱。バスで先に到着地の中村まで行くことに。
今夜は中村の民宿にでも泊まるという。
川下りから上がれると聞いて、急に元気になるT搭乗員。
てっ・・敵前逃亡ですか!!

やはり亜熱帯でゆるーく暮らす我々には11月末の川下りは無理だったか?
「まあ、でも寒いからもう行くね!」
口屋内の沈下橋から見送られ、一人四万十川を下るtaigaです。
連続写真でどうぞ・・・・
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2008年11月23日

●激寒!四万十川下り


こんにちは
激寒の四万十川下りで体力を消耗し
ちょっとblogの更新が滞ってしまいましたが
ようやく奄美大島に戻ってまいりました。
やぁーこっちは暖かいですなぁ・・・・
さて、お話は四万十川カヤックツーリングの初日です。

11月20日の朝。
暖房の効かないコテージから外に出ると天気は快晴。
ただ非常に、むちゃくちゃ寒いです。
ぶるぶる・・・・
ちょうど今年初の寒気団が降りてきて
昨夜は山に初雪が降ったらしい。
その山から吹き降ろしてくる北風が
川面を吹き抜けて・・・・寒うぃぃぃぃぃい!

ただその寒さのせいか空気は澄み切って
川面は清冽な風景です。

よし.出発じゃ!
今回持ってきたのはゴムボートタイプのカヤック(ダッキー)
VK-9という、最近ネット通販などで非常に安く売っているカヤックです。
2,8000円でカヤックを売っているというのが、ちょっと信じられないのですが
まあ、基本性能は大丈夫だろうと思って持ってきました。
実はこのカヤックでのツーリングは初めてです。
本当にこれで大丈夫なのか?

今回は江川崎で合流したT嬢が前方搭乗員として参加です。
それにしても荷物が多すぎないか????

これでもずいぶん削ったつもりなんですが、二泊三日分の食料とキャンプ道具で
こんな感じです。

さあ、カヤックツーリングに出発。
川の水も透き通ってきらきら光り、清涼な風景が続く。


山おろしの冷たい北風がぶぉーっと吹いて追い風になってくれる。
川を下ってゆくと約30分ごとに瀬(落差が急な波立っている場所)があって
うぉりゃー!とか、あちゃー!と叫びながら漕ぎ下る。
前方搭乗員のT嬢も「あれーっ!うぁーっ!」と叫ぶ。
下流域なので、大した瀬ではないし、ダッキーなので問題なく下れるのだが
ちょっとしたスリルがあって楽しい。

急流でカヤックが斜めに流されると
taigaは大波を見ては
「そっちに行きたくない!そっち行きたくない!」と叫びながらパドルを振り回すのだが、
T嬢に「そっちに行きたくない!」じゃなくて「右を漕げ!」とか言ってくれない?
と注意される。
はぁ・・・、そうですね確かに。

カヤックは山おろしの冷たい追い風に乗ってぐんぐん進む。
岩間の沈下橋(増水時に水面下に沈んで流失を避ける構造の橋)をくぐると、

芽生(かよう)大橋が見えてきた。

川を2時間も下っていると
かなり体が冷えてくる。
寒いのでなるべく手足を濡らさないようにしていたが
カヤック遊びでそれは無理というもの。
宇和島の100円ショップで買った手袋は一度濡れたら
もう使い物にならない。
手は寒さにかじかんできたし耳も冷たくなって痛い。
防水のソックスもあまり役に立たず
ウエットブーツの濡れた足の先は冷たくてじんじんと痛む。

きれいな河原に上陸してコーヒーを飲んで休憩したり
のんびりと楽しみながら川下りをしようと思っていたのだが、
はっきり言って、それどころじゃーありません。
もう、寒くて寒くて止まっていられない。

北風に追い立てられるように
ただ、もうガシガシと漕いで下るのみ。

先ほどから「寒すぎる、もう限界」とつぶやいていたT嬢の様子がおかしい。
「眠い・・・」と言いだしてパドルを動かす手が止まり。
呼びかけても反応しない。
どっ・・どうした!T搭乗員!

次回に続く。

2008年11月19日

●ようやく四万十川に到着。

blogをごらんの皆さん、コメントありがとうございます。
あとでしっかりご返事差し上げますね。

さて、ようやく江川崎の駅に到着。

やって来ました四万十川!

昨夜は公共の宿、山村ヘルスセンターに宿泊。
さあ、今日からカヤックツアーに出発・・・
と思ったのだが、朝の寒さと激しい雨に戦意喪失。
すでに別便で送ったカヤックや装備は届いていたのだけれども、
明日からはもう少し天気は良くなるという希望的観測の元。
カヤックツアーは明日からに延期することに決定。
異常にあきらめの早いtaigaです。

午後からは雨も上がったので、江川崎から10キロ先にある
「道の駅とうわ」までレンタサイクルでゴー!

ちょうど今日は食堂でバイキング開催中。
地元の食材を使った料理が1000円で食べ放題です。

特に肉厚の椎茸の南蛮漬けが旨いのう。
今夜はカヌー館のバンガローに泊まって、
「ここで英気を養って明日こそカヌーで川くだりに出発じゃ」と
心に誓うtaigaでした。

2008年11月18日

●宿毛で予定変更!

宿毛で予定変更!
朝5時。出港する漁船の音で目覚める。
昨夜は夜陰に乗じて、港の岸壁の防波堤の影にテントを張って寝てしまったのだ。
いい歳して何やってんだか・・・・・

人に見つからないように、さっとテントを撤収して出発。
昔よくやっていた放浪の旅の感覚が蘇ってくる
港から宿毛駅まで重いザックを背負って歩く。
ちょっと腹減ってきたなぁ・・・
このあたりは埋立地で郊外型の大型ショッピングセンターが
立ち並んでいるのだが。朝7時を過ぎてもマクドナルドもモスバーガーも開店していない。
「皆さん、朝マックとかしないんですか?」まあ、しないんでしょう宿毛の人は。
自転車通学の中学生が「おはようございます」と爽やかに声をかけてくれる。
やはり、田舎は良いなぁ。「おぢさんは港で寝ていました・・」とは言えないが・・。

宿毛駅についてうろうろしていると、宇和島駅行きのバスが出ることを発見。
所要時間1時間半というから名瀬~古仁屋間ぐらいか。
(奄美大島が基準ですいません)
5分ほど迷って、宇和島へ向かうことに決定!
こんな風に思いつきで予定を変えるのも旅の面白さだ。

これからの行くつもりの中村はカヌー川くだりの終着地なので
先に行ってしまうのもつまらないし、宇和島からなら
カヌー出艇地の江川崎まで電車で行けるのだ。

実は歴史に名高い宇和島の街に一度行ってみたかったのです。
愛媛県に入るのは生まれて初めて!

バスは風光明媚な海岸線を走る。
このあたり、シーカヤックで漕いでも面白そうだな。


宇和島駅に到着。

名物の「じゃこ天」を食べて、宇和島城へ。


これこそ観光旅行です!

昼食は博物館のパソコンで検索して、美味しいという料理屋へ。

こんなお店、今朝、港で野宿していたような人間が入っていいものか?

でも、大丈夫。ランチは750円です。

午後3時26分発の予土線で江川崎に向かいます。
明日は四万十川じゃ!

●夜の佐伯にて


ようやく大分県の佐伯に到着。
佐伯に行ったら必ず「ごまだしうどん」を食べよ!
という友人からの命を受けて港付近をうろうろ。
海上タクシーが舫っていたり、港町の風情がありそうだが
暗くてよくわからん。
ようやく見つけた食堂で「ごまだしうどん」を食す。


これは魚のすり身とごまを練ったペーストをうどん汁に溶かしながら食べるんですね。
う~ん、深みのある味です。
このだしペーストだけ買って帰りたい!

この店の名物に「りうきゅう丼」なるものあり
尋ねると「魚をたれに漬けた丼」とのこと。
「りうきゅう」は竜宮の意か?
それとも琉球と何か関係があるのか??
もしかして、竜宮=琉球なのか????
謎は深まる。

さて、これから乗船する宿毛フェリーは
佐伯から四国・高知の宿毛に渡るという
マイナーな航路。
待合室には誰~も居ません。
まあ、19:50に出航して23時に宿毛に着いても困るわけですが・・・・


待合室には何故か販売用の古本が並べられているのですが、
「これが売り物?100円でも買いたくない。」と思えるような古びた本ばかり。
やはり、マイナーな田舎は謎ばかりです。

名瀬で買った赤ワインの残りを飲んでうとうとした頃に
四国・高知県の宿毛に到着。
時間はすでに23時。
さて、今夜はどうしたものか。

2008年11月17日

●日豊本線、各駅停車の旅。

鹿児島から大分県の佐伯まで、
乗り換え3回、乗車時間5時間あまりの
日豊本線、各駅停車の旅。


列車での長旅は久しぶり。
すべてが新鮮です。

がたごと列車に揺られていると
島暮らしの現実が吹っ飛び、
遠い昔の旅行の感覚が蘇ってくる思い。

国分から都城の間の山間部は
美しい日本の山里の風景が残っていました。

しかし、交通の主流は自動車に移って、駅周辺は寂れていますね。
昼食を買おうと都城駅に降りたのですが、駅前には驚くほど何も無くて
唖然としました。